株式交付制度では、他社の株式を取得する際に、自社の株式を対価として発行することが可能です。
これまでの株式交換と異なるのは、100%子会社にする必要がない点です。よって一部の株式を旧オーナーが引き続き保有することが可能です。
実施するには親会社の株主総会よる特別決議、株式買取請求手続き、債権者意義手続きが必要です。一方子会社は特別決議は不要です。
事業承継において、子供が支配する会社が、父親の支配する会社を子会社にする際に利用することなどが考えられます。
株式交付に応じて子会社の株主は、法人個人ともに、譲渡損益が繰り延べられます。条件としては、対価として交付を受けた資産の価額のうち、株式交付親会社の株式の価額が80%以上であることのみです。20%までなら金銭を工夫交付しても課税繰り延べられます。
株式交換のような、旧会社のオーナーが親会社株式を継続して保有しなくてはならない要件はありませんので、交付を受けた株式ををいつでも売却することができます。
中小企業のM&Aや事業承継においても、ぜひ利用を検討するべきでしょう。