消費税の処理には、税込処理(税込経理方式)と税抜処理(税抜経理方式)とがあります。どちらを選択してもいいですが、継続し適用する必要があります。
税込処理と税抜処理、これらは決算書の数値を、税込金額で税抜金額で表示するか、という問題になり、以下のような特徴があります。
- 税込処理と税抜処理は、決算書における表示方法の問題であるため、消費税の納付額・還付額は相違しない。
- 税込金額の場合には、最終的な消費税の納付額を租税公課で、還付額を雑収入で計上することになる。
- その結果、税込処理と税抜処理の利益は、基本的には同じ金額になる。
- しかし固定資産の取得があった場合には、利益は同じにならない。なぜなら税込処理の固定資産の消費税分について、耐用年数にわたって減価償却費が増える。その分、取得年度にまとまって消費税分の利益が計上されることになる。
- 税込処理は、税込金額で簡易課税の判定や少額固定資産の判定がされてしまうので、多少不利である。
- 税抜処理は、消費税の納税額が利益に影響を及ぼさないので、期中でも利益の予測がしやすい。
- 税抜処理は消費税分だけ売上が小さく見えてしまう。
結果として、税抜処理のほうがメリットが多いので、基本的には税抜処理を採用するほうがいいように思います。
ただし以下のような税抜処理のデメリットもあるので、注意が必要です。
- 税抜処理は、控除対象外消費税の計上や繰延消費税の償却などの処理が必要になるので、処理がその分煩雑になる。