中小企業で会社から株主を追い出したくなる場面は、主に以下の4つでしょう。
- 経営上影響を及ぼしそうな株主を排除するため。
- 将来株価が値上がりする前に買い取っておきたい。
- M&Aの際に買い手が気にならないように。
- 意思決定がしやすいように。
こういった中小企業のニーズに対し、平成26年会社法改正によってできた制度が、「株式等売渡請求」です。
(株式等売渡請求)
第179条 株式会社の特別支配株主は、の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。
議決権の90%を所有する特別支配株主であれば、買取金額や算定方法、取得日などの一定の事項を定めて対象会社に通知し、対象会社の承認を得れば、少数株主に株式の売渡を求めることができます。
90%に足りない場合、議決権の2/3の同意があれば、特定の者への第三者割当増資や株式譲渡承認により、90%を特別支配株主を作る事が可能でしょう。
これらをするにもコストや手間がかかり、譲渡価格の折り合いがつかない場合には裁判所により価格を決定してもらうことになるので、やはり高くつくことになります。できれば円満に買取を進めたいところではあります。