事業計画を策定する場合には、資産負債に関する調査(財務デューデリジェンス)だけではなく、事業に関する調査(事業デューデリジェンス)も行う必要があります。現状を整理して、弱い部分を改善し、強い部分を伸ばす、などといった効果的な対策を講じるためです。
それではその事業デューデリはどのような手順で行ったらいいか、基本的な流れをご紹介します。
1 事業全体の概要を把握する
企業の外部環境と内部環境に分けて、事業の全体を把握します。
商圏全体の売上高と自社のシェアを理解します。一般的にシェアが高い場合(小売業の場合などは30%ぐらい)は独自の戦略(低価格戦略など)がとれますが、シェアが低い場合は競合他社がとっていない戦略(差別化戦略)をとるのがやりやすいとされます。
市場の大きさは総務省統計局や中小企業庁などが発表している統計資料を用いるとコストをかけず概要がつかめます。
ポイントは細かくやり過ぎないことと、数字と現地調査の両面から調査することでしょう。
2 実地調査により実態を深掘りする
実際の事務所、店舗、倉庫、工場などに行き、徹底的な現場視察と経営者と各従業員層への徹底的なヒアリングなどにより現状を把握します。
経営者と従業員の各層で意識レベルに相違がないか、責任の所在が明確になっているか、オペレーションや内部統制がスムーズに流れているか、各部署が連携して対策を立てているか、在庫や商品などの整理状況、など業態により確認するポイントは様々です。
特に店舗では時間帯により業務内容や客層が異なるので、時間帯を変えて現地調査を行うことが必要になる場合があります。
3 窮境原因を把握する
実地調査で確認した問題点から、窮境原因の当たりをつけ、数字で裏付けをとります。
例えば工場の隅に在庫が山積みになっているのを現地調査で確認したら、在庫回転率が悪化してないかどうか、滞留在庫の評価減を行っているかどうかを数値で確認するわけです。
そして実際に回転率が悪化していれば、過剰在庫となる原因を探ります。営業担当者が在庫を好き勝手に仕入れしていないかどうか、最適在庫の目安がルールが無視されていないかどうか、探るわけです。
4 売上と粗利をグループごとに細分化して、収益力を把握する
店舗別、製品別、地域別などのセグメントごとに売上と粗利を分けて、どのグループがどれだけ利益を稼いでいるかを把握します。
そして粗利から、グループに直接ひもづけられる経費を引きます。運賃、販促費、廃棄ロスなどです。そうするとどのグループがどれだけ利益を稼いでいるかがわかります。
儲かっているグループはとりあえず放置してもOKです。儲かっていないグループで将来性がなければ廃止の手続に入ります。そうすると改善策をほどこすのは「今儲かっていなくて、将来儲かりそうなところだけです。」
分けるグループがなければ、顧客ごとに粗利を見てください。儲かっていないお客はリストラの対象にするか、値上げの対象にすべきなのかもしれません。
5 固定費の削減できないか検討する
固定費は上げるのは簡単ですが、下げるのは難しい。なぜなら痛みが伴うからです。しかし相場に合わせて固定費をこまめに見なおさないと経費は必ず高止まりします。
相見積もりを必ずとること、価格の見直し時期をあらかじめ決めておくことが固定費をコントロールするコツです。
二代目以降の社長にはこの痛みを伴う交渉が苦手な社長が多く見受けられる印象があります。
以上の手順でを軸として、自社なりの事業分析の仕方を試行錯誤してみてください。
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